らしく。

作詞をしています。

ミックスジュース

さて、関西人である。

 

文章を書く時は標準語を意識しているし、投稿でプライベートを見せるのがあまり好きではないので気づかれないことが多いが、実は関西人だ。生まれてから18年、関西で過ごした。関西弁ネイティブである。

地方出身の場合、どこの土地でも自慢のひとつに「食べ物」を挙げる事があると思う。四季があり南北に長い日本らしくて好きだ。

 

伝統料理とは言えないと思うのだが、大阪には「ミックスジュース」がある。去年のスタバの47都道府県フラペチーノも、確か大阪はミックスジュースだった。フルーツの優しい甘さとサッパリした飲み口が特徴で、もちろん大好きだ。喫茶店などで頼むと大体上の方が泡立った状態で出てくる所も好き。

 

少し話は変わるが、父は未だに私を子供扱いする。親にとって子はいくつになっても子、ということなのだろうが、それにしても時々笑える程の子供扱いをしてくる。

実例のひとつに言葉遣いがある。例えばものを捨てる時、父は「これポイして」とよく言う。まだいい。「これもうバイバイして」と言う時もある。5歳児相手にしているのだろうか。

 

話を戻す、ミックスジュースだ。

父は必ず「みっくちゅじゅーちゅ」と呼ぶ。(父はぼちぼち還暦だ)

実際、サンガリアの商品に「みっくちゅじゅーちゅ」は存在している。それ自体馴染み深いものなので、父の呼称も最近まであまり気に止めていなかった。だが、父はサンガリアの商品でなくても、「みっくちゅじゅーちゅ」と呼ぶ。必ず呼ぶ。

 

ちなみに母もそう呼ぶ。母は父よりももっと私を子供扱いするので、何も疑問を抱いたことはなかった。

 

試しに姉に聞いてみた。「ミックスジュース」と記された瓶の画像を送り、これなんて呼ぶ?と聞いてみた。「みっくちゅじゅーちゅ」と返ってきた。

 

そして振り返ると、自身もそう呼んでいたことに気づいた。洗脳は恐ろしい。

 

果たしてこれは我が家のみの習慣なのだろうか。

同じく関西で生まれ育った友人に統計を取るには、背景が些か気恥ずかしくて後ろ向きだ。

 

気付いていないだけで、個々の家庭の独自ルールはたくさん存在するのだろう。我が家はみっくちゅじゅーちゅの他、誰かがトイレに入っている時に家を出る際、必ずトイレのドアをノックをしてから出かけるというものもある。(これは家の間取り上、トイレの前を必ず通って家を出ること、扉を開くとぶつかる可能性が高いことが背景にある)

 

最近、結婚について聞かれることが増えた。それが自然と話題に上がる年齢になったし、実際学生時代の友人たちがチラホラ結婚し始めている。

きっと我が家のルールと伴侶のルールを持ち寄り、譲れないところと譲れるところを擦り合わせるのだろう。洗濯の頻度や入浴のタイミング、正月の過ごし方、食卓の準備の仕方など。

 

私は何を無意識に守って、何を新しく受け入れるのだろうか。

少なくともみっくちゅじゅーちゅは、無意識に守って呼び続けるのだと思う。