らしく。

作詞をしています。

イヤフォン

イヤフォンってやつはどうしてすぐにいなくなるのだろうか。

この間はなんと有線のイヤフォンを紛失した。ワイヤレスの物ならポロッと落としたりカバンの中で迷子になることもあろうが、まさか有線を無くすとは。脳が疲れ切っている時に紛失に気づいたので、そこそこ落ち込んだ。


私にとってイヤフォンは、世界と自分を遮断する大切なツールだ。自分と周囲とに壁を作るスイッチが無いと地味にしんどい。

わざとイヤフォンを付けない(=音楽やラジオなどを聞いていない)状態で出かけることもある。中年男性同士の会社の愚痴なんかが聞こえてきて、それはそれで楽しいのだ。


だがそれはあくまでも、「世界と繋がることを自ら望む」時である。

「自ら望む」時があるのだから、当然、「決して望まない」時もある。


世界との繋がりを決して望まない時、イヤフォンが無いと絶望する。

周りと自分との境界が曖昧になって、宇宙から見たたくさんの点々のひとつに自分がなった感覚になる。

周りの人が話す言葉全てが耳を通って心に、脳に染み込んできて、揺らしたくもない感情が揺れて、不安定になる。


大袈裟だろうか。だけど、そのくらい世界と自分との間の壁はメンタルに大きく影響すると思う。

周囲の存在を強く認識しすぎてしまうことの苦しさみたいなものは、いつも側にあって、その分愛しくてウザったいのだ。


兎にも角にも、イヤフォンがないと困ってしまう。今日は有線のイヤフォンを買いに行こう。店員さんに声をかけられた時、上手に交わすツールの一つでもあるのだから。