らしく。

作詞をしています。

年賀状

久しぶりに実家に帰っている。


時勢の関係で去年は帰れなかった。2年ぶりに両親と食べるおせちは美味しかった。


母に、これどうすると年賀状の束を手渡されて、今更出すような相手もいないのだけれど、とりあえず輪ゴムを外して眺めてみた。

友人、先輩、後輩。10代の一番青くて脆い季節を共にすごした人の名前が連ねられていて、大体が黒のペンで何かのメッセージが書かれていた。


今年もありがとうとか、来年の話とか、それらは全て過去なのだけれど、たった今受け取ったかのごとく、懐かしい声で文字が読み上げられるみたいだった。


生家は田舎だ。進学や就職を機に離れる者も多く、そのまま寄り付かなくなる場合も少なくはない。今、この何年も前の住所に年賀状を出したところで、目当ての人に届くとは限らない。


不思議なものだと思う。

当時は嫌という程顔を合わせていた。廊下ですれ違ったり、部活終わりに一緒に駅まで歩いたり。こっそり持ってきたおやつはいつも分け合った。

それなのに、わざわざ年始にマメな挨拶状まで送っていたのだ。むしろ、この頃の方が積極的だったと思う。


旧友たちは、どうしているだろうか。

消息を知るものも、そうでないものもいる。最後の別れ方があまり良くなくて、もしかしたらもう笑顔で会えないかもしれないものも、いる。


一人でも多くが、今日を穏やかに過ごしていればいいと思う。


新年あけまして、おめでとう。